声帯結節(せいたいけっせつ)
- 誘因・原因
- 大きな声を頻繁に出すなど声帯の使い過ぎが原因となります。
歌手や保育士、教師、インストラクターなどの職業の方が多いです。
結節は、手のひらにできるマメのようなものとイメージしていただければよいと思います。
手のひらにマメができるように、物理的ストレスが続くことにより粘膜上皮が硬くなり、粘膜下に液の貯留や線維化が起こり腫れることで、結節はできます。
風邪などがきっかけとなることも多く、喉が炎症を起こして声が出にくくなっているにも関わらず、声を出し続けることで結節ができてしまいます。
- 病態
- 声帯の一部に硬い出っ張りがあります。
- 症状
- 出っ張りがあるため声帯がぴたりと閉じずに声がかれます。
少し空気がもれるような、やや硬い感じの声になります。
日によって声の調子が変わりやすく、長く喋っていると出にくくなる場合が多く、時には、喉の痛みを訴えられる方もいらっしゃいます。
- 検査・診断
- ファイバースコープで声帯をチェックします。
- 治療
- 結節ができたばかりの方には、沈黙により声帯の安静を保つと同時に、ネブライザー治療や炎症を抑えるお薬の服用を行います。
声を出さないようにするのが最も重要ですが、黙っていては社会生活が成り立たないので「正しい発声」を指導します。
声がれが強い場合は手術も行うこともあります。
手術は連携医療機関にご紹介いたします。
手術は通常は全身麻酔で1泊入院で行われますが、日帰り手術を行う施設もあります。
手術費用は7~10万円程です。
術後すぐに声を出すときれいに治らないのでしばらく声帯を安静にします。
■やってはいけないこと
- 大きな声で話す。高すぎる声や低すぎる声で話す。早口で話す。
- 長い時間おしゃべりをする。ささやき声でおしゃべりをする。
- うるさいところで話す。
- 疲れているときに話をする。興奮して話をする。
- 咳払いをする。
■普段から気をつけること
- 十分な睡眠をとり、疲れをためないようにしましょう。
- クーラー、扇風機、冷たい食べ物・飲み物でのどを冷やさないようにしましょう。
- 朝は声帯が乾燥しているのであまりしゃべらないようにしましょう。
- 外出するときは、マスクやマフラーをしましょう。
- 空気の悪いところには行かないようにしましょう。
- 風邪をひいたときは、特に上記を注意し、早期に治療しましょう。
■ご家庭で気を付けること
- 室内の乾燥に気を付け、湿度は50%~60%を保ちましょう。
- 患者さんのそばで煙草を吸わないようにしましょう。
- 「普段から気をつけること」は一緒に取り組みましょう。