慢性鼻副鼻腔炎(蓄膿症)
- 誘因・原因
- 急性鼻炎や急性鼻副鼻腔炎から移行します。
最初はウイルス感染で、細菌感染がその後加わることが多いです。
アレルギー性鼻炎があると鼻粘膜の腫脹や鼻汁が多くなり長引きやすくなります。
他にアデノイド増殖症や集団保育のお子さんは長引く傾向があります。
- 病態
- 鼻の周囲にある骨には篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、上顎洞(じょうがくどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)という4つの空洞がありますが、これらを副鼻腔(ふくびくう)と呼んでいます。
- 副鼻腔の炎症が2~3カ月以上続いた状態が慢性副鼻腔炎です。
- 粘膜の繊毛運動の障害が起こっていて、副鼻腔の換気・排液障害が生じ炎症が長期化しています。
- 症状
- 膿性・粘性鼻汁、湿った咳、鼻閉、頭重感、嗅覚障害などが数か月続いています。
- 検査・診断
- 鼻鏡や小児用ファイバースコープなどで鼻内の観察を行います。
細菌培養検査を行います。
※CTが必要な場合はどい耳鼻咽喉科(薬園台)をご紹介いたします
- 治療・薬
- ガイドラインに沿った治療を行います。
鼻汁の吸引が重要です。
鼻処置や超音波ネブライザーで鼻副鼻腔の環境を整えます。
処置や内服薬での治療が主体となりますが、鼻の中にポリープがあった場合などでは摘出手術を考慮します。
- マクロライド系と呼ばれる抗生物質の長期間少量投与治療を行う場合があります。
治療期間は2-3か月程です。アレルギー性鼻炎やアデノイド増殖症による鼻閉や鼻汁の停滞があればそれらの治療も行います。 - 家庭での注意点
- 就学前の子供の痰が絡んだ咳の場合は、鼻副鼻腔炎が最も多いとされています。
「ゴホッ」という咳があるうちはまだ鼻が悪いと思いましょう。
- すぐに耳鼻咽喉科を受診できない時
- 慢性副鼻腔炎の診断・治療は耳鼻咽喉科の受診が必要ですが、鼻水が出ているのにすぐに受診できない時は、市販薬(市販薬を参照してください)を内服させても良いでしょう。
アレルギー性鼻炎と診断されている場合は市販薬の抗ヒスタミン薬(市販薬を参照してください)を使用してもよいでしょう。
鼻をすすらせず、よくかむようにしましょう。
- ※その後必ず耳鼻咽喉科を受診しましょう。
- 市販薬
- <鼻水の粘り気を改善させる薬>
去痰CB錠、または、ストナ去痰カプセル
(いずれも8歳以上) - <抗ヒスタミン薬>
3歳以上
キッズバファリン鼻炎シロップ、
ムヒ子供鼻炎シロップ、
宇津子供鼻炎シロップなど
(いずれも同じ成分)7~14歳
アレグラFXジュニア(店頭販売のみ)など