突発性難聴
- 誘因・原因
- 寝不足や疲れ、ストレスが引き金になる場合もありますが、ほとんどの場合、特別これといった誘因が見当たらないのが特徴です。
はっきりとした原因は不明ですが、ウイルス感染の可能性が有力視されています。
- 病態
- 音や平衡感覚を感じる内耳の神経の血流障害であると考えられていますが、まだはっきりと分かってはいません。
- 症状
- 片耳の難聴や耳鳴り、耳閉感(耳がつまった感じ)が出現します。
めまいを伴う場合もあります。典型的な場合には、何時何分というくらい、発症した時間がはっきり分かるくらい突然に発症します。
通常は片耳で再発することはありません。
程度は片耳が全く聞こえず、めまいがひどくて起きていられないような重度のものから、少し耳鳴りがしたり耳閉感を感じる程度の軽度のものまでさまざまです。
- 検査・診断
- 典型的な発症の様子や聴力検査から診断することが多いです。
めまいを伴う場合はフレンツェル赤外線眼鏡を行い眼振(目の異常運動)を確認します。
ステロイド薬の投与を行う場合はB型肝炎ウイルスの血液検査を行います。
治療後の経過が突発性難聴に典型的でない場合(難聴が徐々に進行するなど)は聴神経腫瘍を除外するため頭部MRIを行った方がいいでしょう。
- 治療・薬
- 発症早期(2週間以内)の治療開始が望ましく、もっとも推奨される治療法はステロイド薬の投与です。
その他に循環を改善させる薬やビタミン剤など神経障害を回復させる飲み薬を用います。
睡眠を十分にとり、ストレスを避けましょう。
精神的、肉体的安静が必要です。大きな音や気圧の変化も避けましょう。
- 注意点
- 早期に治療を開始しても改善せず、難聴や耳鳴りなどの後遺症が残るケースが20%ほどあります。
中等度以上の方や軽度でもご希望があればステロイド薬の点滴治療や、入院治療が可能な連携医療機関へご紹介いたしますのでご相談ください。