鼻血(鼻出血症)
- 鼻出血症とは
- 鼻血のことです。
医学的には鼻出血(読み方:びしゅっけつ)といいます。 - 誘因・原因
- 鼻をいじる、鼻をかむ、くしゃみなどの刺激や乾燥、アレルギー性鼻炎などの炎症による鼻粘膜の傷害が全体の約80%です。
腫瘍・外傷・高血圧・血液疾患など原因となる疾患がある場合もあります。
- 病態
- 全体の7~8割がキーゼルバッハ部位(鼻腔前下方の鼻中隔粘膜)からの出血です。
この部分は血管の吻合が豊富なうえに粘膜が薄く、しかも指先が届くため刺激を受けやすいので鼻出血の誘因がそろっています。
- 検査・診断
- 出血時間や止血の仕方、出血量、既往歴、内服薬を確認します。
ファイバースコープなどを用いて、出血部位の確認をします。
- 治療・止血法
- 日本には鼻出血のガイドラインはありません。
出血の程度、部位によりボスミンガーゼを挿入したり、アクロマイシンガーゼによる圧迫止血を行います。
電気凝固器を使用し鼻粘膜を焼くこともあります。
アレルギー性鼻炎を認める場合はアレルギーの飲み薬などで治療を行います。
- 自宅での止血法
- 出血した場合は親指と人差し指で小鼻をギュッとつまみます。
このとき、うつむき加減に座ります。
鼻の固い部分(鼻骨)をつまむ方が多いですが、この部分をつまんでも止まらないので、尾翼(小鼻)をつまみましょう。小児の鼻出血は、突然起こり繰り返すことが多いです。
顔に流れた血液を見て驚かれる方が多いですが慌てる必要はありません。
親御さんの膝(ひざ)の上に座らせて、鼻翼(小鼻)をしっかりつまみ下を向かせて血液を飲み込ませないようにしてください。
また、仰向けに寝たり、頭を後ろに倒す方がいらっしゃいますが、血液が喉(のど)に流れて飲み込んでしまい、吐き気がでることや詰まることもありますので下を向くようにしましょう。
出血量が多くて喉の方に血液が流れてしまう場合は、飲み込まずに口から吐き出すようにしてください。
15分ほど続けるとほとんどの場合止血できます。
(参考)海野徳二:系統看護学講座 専門 17 耳鼻咽喉疾患患者の看護.
- 豆知識
- 馬は鼻でのみ呼吸しているため、鼻出血した場合は十分な呼吸ができず、能力が十分に発揮できないそうです。
そのため競走馬は鼻出血が原因で出走停止になったり引退することもあるそうです。