小児声帯結節(しょうにせいたいけっせつ)
- 誘因・原因
- 声帯がもともと弱く傷つきやすいお子さんが、力んで声を出したり、大声を出しすぎると生じると言われています。
お子さんの声がれのほとんどはこの声帯結節です。
結節は、手のひらにできるマメのようなものとイメージしていただければよいと思います。
手のひらにマメができるように、物理的なストレスが続くことにより粘膜上皮が硬くなり、粘膜下に液の貯留や線維化が起こり腫れることで、結節はできます。
風邪などがきっかけとなることも多く、喉が炎症を起こして声が出にくくなっているにも関わらず、声を出し続けることで結節ができてしまいます。
- 病態
- 声帯の一部が肥厚し結節となり、声帯がきちんと閉鎖していません。
- 症状
- 声がかすれます。
- 検査・診断
- 小児用ファイバースコープで声帯をチェックします。
- 治療
- 「正しい声の出し方」や「普段から気を付けること」を指導します。
ほとんどいらっしゃいませんが聞き取れないほどの声が続く場合は手術します。
手術は連携医療機関にご紹介いたします。 - 家庭での注意点
- ご家族も一緒に声の出し方に気を付けましょう。
スポーツをしている時の大声は特によくありません。
嗄声が治らないので監督さんにも相談しましょう。 - 正しい声の出し方
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■やってはいけないこと
- 大きな声で話す。高すぎる声や低すぎる声で話す。早口で話す。
- 長い時間おしゃべりをする。ささやき声でおしゃべりをする。
- うるさいところで話す。
- 疲れているときに話をする。興奮して話をする。
- 咳払いをする。
■普段から気をつけること
- 十分な睡眠をとり、疲れをためないようにしましょう。
- クーラー、扇風機、冷たい食べ物・飲み物でのどを冷やさないようにしましょう。
- 朝は声帯が乾燥しているのであまりしゃべらないようにしましょう。
- 外出するときは、マスクやマフラーをしましょう。
- 空気の悪いところには行かないようにしましょう。
- 風邪をひいたときは、特に上記を注意し、早期に治療しましょう。
■ご家族へ
- ご家族や周囲の人も大声を使わないようにしましょう。
- 室内の乾燥に気を付け、湿度は50%~60%を保ちましょう。
- 患者さんのそばで煙草を吸わないようにしましょう。
- 「普段から気をつけること」は一緒に取り組みましょう。