急性中耳炎 大人
- 誘因・原因
- かぜなどの上気道感染が原因となります。
- 病態
- ウイルスや細菌感染による上気道炎により上咽頭(鼻の奥)に炎症が起こります。
上咽頭のウイルスや細菌が耳管(耳と鼻をつなぐ管)を経由して中耳に感染し炎症が起こります。
正常鼓膜
軽症の急性中耳炎重症の急性中耳炎
- 症状
- 激しい耳の痛み、難聴が起こります。
炎症が強いと鼓膜が自壊して耳だれが出ます。
- 検査・診断
- 発症した時期や症状、発症前後の全身状態などを伺います。
鼓膜を観察します。
耳漏や鼻汁の細菌を調べるため培養検査を行います。
- 治療
- ガイドラインに沿った治療を行います。
痛みに対して飲み薬の解熱鎮痛剤を投与します。
中等症以上で細菌の感染が明らかな場合は飲み薬の抗生物質を投与します。
重症例では「鼓膜切開(こまくせっかい)」をして溜まっている膿を吸い出す場合があります。
鼓膜には麻酔をかけるので、ほとんど痛みはありませんし、鼓膜の傷は通常数日でふさがります。
鼓膜切開後や耳漏が出ている際は差し薬の点耳薬が出る場合があります。
鼻水がたくさん溜まっていると、中耳炎も悪化したり長引いたりしますので、まずは鼻水を溜めないことが大切です。
そこで、鼻水を吸う処置を行ったりします。 - 仕事
- 普通の急性中耳炎は、人から人へと感染することはないと考えられているため、仕事に行っても問題はないでしょう。
しかし、体に大きな負担はかけないようにしましょう。
発熱している場合や耳だれが多く出るときはお休みしたほうが良いでしょう。
- 注意点
- 痛みが改善したあとも難聴が続くときは中耳に貯留液が残っていると思われますのでご来院ください。
- 受診前に自宅で耳が痛くなったら
- 痛みや熱が辛らければ市販の解熱鎮痛剤(市販薬を参照してください)を内服しましょう。
風邪症状があれば市販の風邪薬(市販薬を参照してください)を内服するのもよいでしょう。
こちらには解熱鎮痛剤が入っていますので解熱鎮痛剤を重複して飲まないようにしましょう。※その後痛みや発熱が改善しても、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
- 市販薬
- <解熱鎮痛剤>
15歳以上の場合ロキソニンsプレミアム、
イブA錠、
バファリンAなど - <鼻水・咳などの風邪症状がある場合>
注意:下記のお薬には解熱鎮痛剤も入っています。同時に上記の解熱鎮痛剤を飲まないようにしてください。
12~15歳以上
パブロンsゴールドW錠、
新ルルAゴールドDX、
ベンザブロックLプラス錠、
エスタックイブファインなど