良性発作性頭位めまい症
- 良性発作性頭位めまい症
- めまい患者さんの中で最も多い病気です。
芸能人やスポーツ選手などが発症したことで知られるようになりました。
- 誘因・原因
- 原因不明な場合がほとんどですが、頭部外傷・むち打ち、中耳炎、長期臥床などが原因となることがあります。
職種ではデスクワーク、通勤のない無職・休職者、専業主婦の方、立ち仕事の販売業・作業の方に多い傾向のようです。
- 病態
- 頭の向きの変化で三半規管(回転や加速を感じる器官です)の浮遊耳石が移動したり、付着したりしてめまいが起こります。
- 症状
- 寝返りや起き上った時など頭の向きを変えたときに回転性のめまいが起きます。
一回のめまいは数秒から一分以内で、頭の位置を静止するとめまいは止まります。
聴力の変化は伴いません。
再発する方も多いです。
- 検査・診断
- 頭の向きを変えたときにフレンツェル赤外線眼鏡で異常な眼球運動(眼振)を認めます。
めまいを反復していると眼振は徐々に弱くなります。
- 治療
- 自然軽快が多いですが、リハビリ体操(積極的に頭位変換を伴う体操)をした方が治癒は早まり、再発しにくくなるといわれています。
吐き気止めの薬や抗めまい薬を投与する場合もあります。
漢方薬を使用することはあまりありません。
- 注意点
- めまいがあるのに運転をすると事故につながる恐れがあるため危険です。めまいが治るまで運転はやめましょう。
寝るときに頭を少し高くすると、耳石が三半規管に入りにくくなるため、枕を高くすることが予防に役立つとも言われています。
- 市販薬
- トラベルミン(めまいがある時に飲みましょう)
- リハビリ体操(東邦大佐倉病院方式)
- ① 寝起きの運動をゆっくり繰り返す。
(手を使ってもかまいません。)- ベッドや床に横になって、繰り返します。
背を押さえてもらいながら行うと楽です。 - 寝起きで2~3秒そのままの位置で止めてください。
- 注意:腹筋運動ではありません。
② 床を向く、天井を向く運動を、体全体を使ってゆっくり繰り返す。(椅子に座っても可)- 床を見るように下を向きひと呼吸止めて、次にゆっくり天井を見るように上を向きひと呼吸止めます。
- めまいがしたら止まるまでその位置で止めてください。
- ゆっくり行ってください。
- 注意:頸椎を痛めることがありますので首だけで行わないようにしましょう。
③ 寝返りの運動を体全体でゆっくり行う。- 左右への寝返りの運動です。寝返った位置でひと呼吸止めてください。
- 絶対に首だけで回さず、体全体でゆっくり回ってください。
- めまいがしたら、止まるまでじっとして、止まったら反対に寝返ってください。
それぞれの運動を5~6回繰り返して行いましょう。(可能な運動だけでも構いません)めまいを起こしても怖がらずに、1時間おきに繰り返しましょう。
気分が悪くなったら休んで、落ち着いたらまた始めましょう。
めまい止めや吐き気止めを内服して行いましょう。
- ベッドや床に横になって、繰り返します。