前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)
- 誘因・原因
- ウイルスの感染が原因ではないかと考えられています。
- 病態
- 平衡感覚を感じる前庭神経に炎症性の変化が起こっています。
- 症状
- 突発的な激しい回転性のめまいが出現し数日続きます。
めまい感は1週間程持続します。
吐き気や嘔吐を伴いますが、耳鳴りや難聴などはありません。
めまい発症前に風邪症状があることがあります。
- 検査・診断
- 目をつぶって起立したり、足踏みしていただくと悪い方へ傾いたり回ってしまいます。
フレンツェル赤外線眼鏡で眼球の異常運動(眼振)が見られます。
片側の半規管機能の高度低下を認めます。
- 治療
- めまいが起こっている間は、炎症を抑えるためにステロイド薬、抗めまい薬、吐き気止め、血流改善薬、ビタミン薬などの飲み薬を使います。
めまいが激しく日常生活が困難なケースでは連携医療機関に紹介し入院治療を行う場合もあります。
めまいが治まっても、体のふらつきや不安定な感じがしばらく続く場合は、リハビリを行い平衡感覚を取り戻す必要があります。
仕事の復帰には1~2週ほどかかることが多いですが、予後は良好で多くは1~3ヶ月で完全に回復します。
後遺症として急に頭を動かしたときの動揺感が残る場合があります。
通常再発はしません。